IoT技術によって介護記録を自動化する「FonLog」

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介護自動記録AIアプリ「FonLog」

国立大学法人九州工業大学で開発された介護自動記録AIアプリ「FonLog」を紹介します。介護記録を自動化し、スマートフォン上で簡単に管理できます。

介護自動記録AIアプリ「FonLog」

FonLog開発の背景

介護業界は人材不足が深刻化しているものの、IT化がなかなか進んでいない状況です。IoTやAIが普及すれば今よりも生産性を上げられる余地があります。そのような状況を受け、九州工業大学井上創造研究室はスマートフォンのセンサーを用いた行動認識機能により介護記録の自動化を可能とするシステムの開発に乗り出しました。この技術は国際会議ICIEVやAPAMIで最優秀論文賞を受賞するなど、すでに数々の実績を残しています。
FonLogは「2画面で使いやすい」「様々な入力項目と出力に対応可能」「オフラインでも使用可能」「音声入力可能」「ビッグデータの活用がスムーズになる」などの特徴を持ち、すでにいくつかの大学病院や介護施設に導入されています。当初は一般提供する予定はなかったものの、導入実績が出て要望が高まってきたため正式にリリースすることが決定しました。

FonLogの特徴やメリット

スマートフォンのセンサーで介護行動を認識し、自動的に介護記録の内容を提示します。これにより、今まで手書きで行っていた作業がなくなります。時間でいうと20分~30分ほど短縮されます。また、すべてのスタッフが扱いやすいように画面設計が工夫されています。2画面のみで情報入力が可能なだけでなく、導入時には介護ITインストラクターによるレクチャーも受けられます。入力項目は事業所ごとにカスタマイズ可能で、あらゆる業務記録を電子化できます。出力に関してもクラウド上の表計算ソフトで管理可能です。入力に必要なのはスマートフォンのみで、インターネット環境がなくても大丈夫です。そのため、施設のインターネット環境を一新する必要がありません。
スマートフォンの機能を最大限に活かした機能がテキストの音声入力です。選択肢などの定型入力についても音声入力が可能となっています。IoTやビッグデータの活用にも対応しており、常時センサー処理をしています。そのため、位置情報や見守りセンサーとの連携も容易です。ビッグデータを用いたBI分析やDXコンサルティングの提供もしているので、経営面でのメリットも大きいでしょう。今後は、国の介護データベースCHASEにも対応予定です。なお、対応OSはAndroid OS 8.0以上です。補助金の利用も相談可能なので、費用に不安のある事業所でも安心です。すでに国立大学病院や介護施設、訪問介護事業所などでの導入実績があり、現場からは高い評価を得ています。

FonLog

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