IoT技術を駆使した見守りサービス「eMamo(イーマモ)」

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見守りサービス「eMamo(イーマモ)」

IoTスマートホームデバイスの企画・開発・製造・販売を行う株式会社リンクジャパンが2019年から開始したサービスが、見守りサービス「eMamo(イーマモ)」です。

見守りサービス「eMamo(イーマモ)」

eMamo開発の背景

日本は2007年から超高齢化社会に突入しました。核家族化、単身世帯・夫婦のみの世帯の増加と同時に65歳以上の高齢者も増え、介護サービスの拡充・多様化が強く求められる中、介護サービスの担い手である介護職の負担増による離職が問題視されるようになりました。eMamoを開発した株式会社リンクジャパンの代表、河千泰氏の母親は当時介護職として働いており、その過酷さや労働環境の劣悪さを日頃から伝え聞いていたそうです。仕事に誇りを持っていた母親も、徐々に疲弊して体調不良を訴えることが多くなりました。そこで河千泰氏は、日本が抱える介護問題を解決すべく、IoTとAIを駆使した新サービスの開発を決心したのです。これが、eMamo開発の背景です。

センサーを用いてあらゆる情報を集められる

eMamoは心拍・呼吸・体温・離床などの情報を多種多様なセンシング技術を用いて管理するシステムです。センサーやプラットフォーム、クラウドデータの保存環境などを一括で提供しています。施設のドアやエアコン、ベッド、カーテンなどにセンサーを取り付けるだけで利用可能です。センサーは両面テープで貼り付けられるので、大掛かりな工事も必要ありません。センサーで感知できるのは利用者の「人感」「心拍」「呼吸」「体温」「温度」「湿度」「照度」「ドアの開閉」です。カスタマイズをして他社のIoT製品と連携もできます。センサーで収集したデータはクラウドに保存され、AIによる解析が行われます。データが蓄積されていく度に正確性が増し、異常発生時にはすぐに通知されます。複数のセンサーを組み合わせているので、利用者の些細な体調変化にも対応可能です。
パソコンやスマートフォンの管理画面上から利用者のバイタルデータを確認できるだけでなく、操作に不慣れな人でも簡単に操作できるよう、UI設計にも力を入れています。また、管理画面にはスタッフ同士の情報共有に役立つ掲示板機能も搭載されています。

導入実績

2019年3月に福岡県の老人ホームで実証実験が行われました。その結果、スタッフの業務負担軽減や精神的ストレスの軽減効果などが認められ、同年7月から正式に導入されています。スタッフが数時間おきに行っていた見守り業務が効率化され、頻繁に様子を確認する必要がなくなりました。スタッフの目で直接確認しなければ見えなかった情報を可視化することで、業務が効率化されるだけでなく利用者が感じるストレスも大幅に軽減されます。

eMamo(イーマモ)

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